「暮らしびより」という視点について
-手仕事の現場から-
藤野さんの竹の仕事も本多さんの絹の仕事も
季節とともにある。
藤野さんの籠は、その形が生まれるまでに、
竹林の手入れ、竹の切り出し、竹をへぐという準備がある。
細かく言うと、もっと前準備、竹への手当てがあって、
それが籠やという仕事になっている。
本多さんも、お蚕を育て、糸をひき、草木で染め、織る。
竹を切る時期は決まっていて、短いが、
お蚕を育てるのも、春が一番。
生きるものが、芽吹き、育つ時期。
草木で染めるのも、自然をくみ取りながら。
手仕事は一年のサイクル、季節のめぐりを離れては作れない。
然るに、作れる量は決まってくる。
量が決まっているので、修繕出来ることが大切になる。
古来より、人たちは手に届く範囲の中で、
その土地を見、季節を見ながら、
暮らしの道具を生み出してきた。
私たちの暮らしを支える道具として
形になる前の仕事も含めて、
藤野さんの籠や本多さんの絹の仕事を知って頂きたいです。
ご来場お待ちしています。